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[2018年9月13日:公表]

セット契約やスマートフォンの使い方などの携帯電話のトラブル−高齢者の相談が増加しています−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 携帯電話の契約数は年々増加傾向にあり、今や多くの人の生活に欠かせないインフラとなっています。その一方で、全国の消費生活センター等には、「スマートフォンを契約しに行ったら、不要なタブレット端末を契約してしまった」「違約金がかからない月に解約したら、その月の料金が日割りにならなかった」等の契約・解約時に関するトラブルや、「スマートフォンが使いたくて契約したが、使いこなせない」「スマートフォンで通話を切り忘れて通話料が高額になった」等の利用時のトラブル等の携帯電話に関する相談(注1)が年間2万件以上寄せられており、契約当事者が60歳以上のトラブルは増加しています。そこで、トラブルの未然防止、拡大防止の観点から消費者に注意を呼びかけると共に、関係機関へ要望および情報提供を行います。

図.PIO-NET(注2)における携帯電話の相談件数等の年度別推移
2013年度から2018年8月31日までの携帯電話に関する相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 2013年度の相談件数は21,545件、携帯電話の内スマートフォンの件数は9,321件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は3,947件、2014年度の相談件数は22,744件、携帯電話の内スマートフォンの件数は9,564件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は5,276件、2015年度の相談件数は26,281件、携帯電話の内スマートフォンの件数は13,734件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は6,672件、2016年度の相談件数は24,385件、携帯電話の内スマートフォンの件数は14,251件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は6,960件、2017年度の相談件数は23,354件、携帯電話の内スマートフォンの件数は14,705件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は7,399件、2018年度の相談件数は8,215件、携帯電話の内スマートフォンの件数は5,297件、携帯電話の内契約当事者60歳以上の件数は2,706件です。

  • (注1)本資料に関する相談件数は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)や、通信契約等の携帯電話サービスに関する相談のこと(いわゆる“格安スマホ”“格安SIM”等のMVNOの携帯電話等の相談も含む)。携帯電話の相談の内数であるスマートフォンの相談件数は、消費者の申し出等からスマートフォンと判別できたもの。
  • (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)は、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は、2018年8月31日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。

相談事例

【事例1】
必要ないと断ったのに、スマートフォンを契約させられた
【事例2】
スマートフォンを契約したら、不要なタブレット端末や付属品とのセット契約だった
【事例3】
解約した月は割引が適用されず、月額料金も日割りではなかった
【事例4】
タブレット端末、光回線、電気等も契約したが、スマートフォンさえ使いこなせない
【事例5】
スマートフォンの通話を切り忘れて高額な通話料を請求された

相談事例からみる問題点

  1. 消費者の当初の希望とは異なる契約となっている
  2. 今後支払う料金を消費者が正しく認識できていない
  3. 解約時に発生する料金を消費者が認識できていない
  4. 消費者が積極的に契約をしても、端末操作や料金プランの内容を正しく理解できずトラブルになっている

消費者へのアドバイス

  1. 契約内容の中でも、特に料金が発生する契約は何か確認しましょう
  2. 解約時にかかる料金や割引サービスの内容も確認しましょう
  3. スマートフォンに慣れるために、携帯電話会社等が提供するスマートフォン教室等も活用しましょう
  4. 契約後にキャンセル・解約したいと思った場合は、すぐに携帯電話会社に申し出ましょう
  5. 不安に思った場合やトラブルになった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう

行政への要望

総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課(法人番号2000012020001)

 電気通信事業者および代理店等に対し、以下の事項について継続的に行うことを要望します。

  • 販売勧誘等を行う際は、同時に契約する他のサービスも含め、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めた注意点等についても説明が徹底されるよう指導すること
  • 特に、高齢者に関する相談の割合が増加していることから、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態等を踏まえ、消費者が契約内容を理解し、契約が必要かどうかも含めた適切な判断ができるような説明が徹底されるよう指導すること
  • 契約時の説明不足等が原因となるトラブルが発生している実態に鑑み、市場の健全化、消費者被害防止の観点から、電気通信事業法の消費者保護ルールに違反した電気通信事業者および代理店等に対する行政指導等の対応を行うこと

業界団体への要望

電気通信サービス向上推進協議会(法人番号なし)

 特に高齢者に関する相談が増加していることに鑑み、以下の事項について継続的に行うことを要望します。

  • 加盟事業者において、電気通信事業法および「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン」等に基づき、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態等を踏まえた営業活動を行うこと
  • 消費者が自分にとって必要な契約か主体的に判断できるように、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等についての説明が徹底されるように加盟事業者に対して周知徹底すること
  • 特にスマートフォンの契約および利用に関して、消費者の理解を助ける取り組みをより一層推進すること

一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(法人番号2011005006137)

 特に高齢者に関する相談が増加していることに鑑み、以下の事項について継続的に行うことを要望します。

  • 携帯電話販売店の店頭販売において、電気通信事業法等に基づき、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態を踏まえた営業活動を徹底すること
  • 勧誘時の説明においては、契約関係や今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めたサービスの特性や注意点等の説明を徹底し、携帯電話等の同時に契約になるサービスも含め、消費者が契約内容を十分に理解した上で、主体的にサービスの選択ができるよう、加盟事業者に対して周知徹底すること
  • 特にスマートフォンの契約および利用に関して、消費者の理解を助ける取り組みをより一層推進すること

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)

本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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