スライサーで指先にけがをする事故が多発!
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
野菜等の食材を簡単にスライスするための調理器具として「スライサー」があります。
スライサーで指先にけがをする等の事故が複数件発生していたため、国民生活センターでは2009年8月に注意喚起し、その後も継続的に事故が発生していたため2013年2月に再度、注意喚起しました。
2017年度以降の5年半あまりに、医療機関ネットワークには、スライサーによる事故事例が87件寄せられており、PIO-NETにも同じ期間に、スライサーに関する危害・危険情報が18件寄せられています。スライサーでのけがは指先の皮膚等を削ぎ落とすこともあり、そのような場合は止血しにくく、治癒までに期間を要することもあります。
また、食材をつかむホルダー(以下、「安全ホルダー」とします。)を使用すること等で、けがのリスクを低減することができますが、持ち方を誤るなどすると、けがをすることもあります。
そこで、スライサーによる事故の発生状況等を検証し、消費者に注意喚起することとしました。
動画【YouTube】
主な事例
調理中にけがをした事例
- 思いのほか食材が切れる速度が速かったため指を受傷した。
- 力を入れたら手が滑ってスライサーの刃の部分で指を強く擦った。
- 素手で玉ねぎをにぎって調理したところ、スライサーで中指を受傷した。
- 人参を持っていた親指がすべり、指先が斜めに5ミリほどそがれてしまった。
調理中以外にけがをした事例
- 引き出しのスライサーを触り、右手の中指を切った。
- スライサーの洗浄中に誤って指を切った。
テスト結果
スライサーによる事故の検証
- 野菜が小さくなったり、手を滑らせたりすると指が刃に接触する可能性がありました。
- 安全ホルダーの使い方を誤るとけがをする可能性がありました。
- 調理中以外でも指がスライサーの刃に接触することがありました。
表示の調査
- すべての銘柄で、調理中の手指のけがに注意する旨の記載がみられました。
- すべての銘柄で、調理後の手入れや保管に関する記載がみられました。
写真1.野菜が小さくなり指がスライサーの刃に接触する様子
※写真の商品は事故事例とは関係ありません。
※テストにはハンドマネキンを使用しています。
写真2.野菜を保持した手を滑らせ指がスライサーの刃に接触する様子
※写真の商品は事故事例とは関係ありません。
※テストにはハンドマネキンを使用しています。
消費者へのアドバイス
- スライサーには刃物が付属しているため、不注意や使用方法を誤れば思わぬけがにつながる危険性があります。調理する際は取扱説明書をよく読み、十分に注意しましょう。
- 調理中以外でもスライサーでけがをする危険性があります。手入れや保管をする際には十分に注意しましょう。
啓発資料
- スライサーで指先にけがをする事故が多発
事業者への要望
- スライサーの危険性や正しく安全な使用方法について、引き続き消費者への啓発を行うとともに、より安全に配慮した商品の開発を要望します。
インターネットショッピングモール運営事業者への協力依頼
- 消費者及び出品者に対し、スライサーの危険性や正しく安全な使用方法について、注意喚起の協力を依頼します。
行政への要望
- スライサーの危険性や正しく安全な使用方法について、消費者への注意喚起、啓発を行うよう要望します。
- スライサーの危険性や正しく安全な使用方法について、消費者への注意喚起や啓発を行うとともに、より安全に配慮した商品の開発を検討するよう、関係団体や業界への働きかけを要望します。
要望先
- 消費者庁(法人番号 5000012010024)
- 経済産業省(法人番号 4000012090001)
協力依頼先
- アマゾンジャパン合同会社(法人番号 3040001028447)
- ヤフー株式会社(法人番号 3010001200818)
- 楽天グループ株式会社(法人番号 9010701020592)
情報提供先
- 内閣府 消費者委員会(法人番号 2000012010019)
- 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号 9010005018680)
- 一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会(法人番号 8010005004343)
- 日本チェーンストア協会(法人番号なし)
- オンラインマーケットプレイス協議会(法人番号なし)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
[報告書本文] スライサーで指先にけがをする事故が多発
※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について