抱っこひもからの子どもの落下に注意!−生後数カ月の子どもが頭蓋内損傷などの重篤なけがを負っています−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
抱っこひもは、子どもを抱っこすることを補助する道具であり、子守帯やおんぶひもとして昔から活用されています。現在でも、ベビーカーや幼児が同乗できる自転車と並び、子どもを連れて移動する際の手段として広く利用されています。さらに、家庭内においても使用可能なことから、複数個を所有するケースもみられます。
医療機関ネットワークには、抱っこひもを使用していた際の子どもの事故事例が、2019年度から5年10カ月の間で176件寄せられており、抱っこしていた子どもが落下した事例はそのうちの138件でした。その中では、4件に1件の割合で骨折や頭蓋内損傷に至っており、抱っこひもからの落下は、重篤なけがにつながる危険性の高い事故であると考えられます。また、事例の中には正しい着用方法ではなかったために事故が起こったと考えられるものもみられます。
そこで、抱っこひもからの落下事故について情報を取りまとめ、消費者に注意喚起することとしました。
動画【YouTube】
医療機関ネットワークに寄せられた事故情報
誤った装着状態による事故事例
- 保護者が抱っこひもで子どもを抱っこしていた。やや前屈みになって両手を洗っていたところ、脇の部分からすり抜けて落下した。装着した後にサイズの調整をしておらず、緩いと思っていた。
装着途中の事故事例
- 子どもを抱っこひもで抱っこしようと立ち上がった状態で抱え、後方のバンドを止めようとしていた際に、肩ひもがずれて子どもが頭部より落下した。
テスト
誤った装着状態による着用中の事故の再現
- 緩めて装着した抱っこひもは、取扱説明書に従って装着したときに比べて隙間が大きく、姿勢によっては落下の危険性が高いと考えられました。
着脱途中の事故の再現
- 抱っこひもを着脱する際やおんぶに切り替える際に子どもが激しく動くなどすると、落下する危険性があると考えられました。
消費者へのアドバイス
- 0歳児、特に月齢の低い子どもが抱っこひもからの落下によって重篤なけがを負う事故が発生しています。抱っこひもを着用する際には、取扱説明書に従い正しく装着して使用しましょう。
- 抱っこひもは子どもの抱っこを補助するための道具です。抱っこひもを着用した状態での前屈みはせず、手で支えながら膝を曲げてしゃがむようにしましょう。
- 着脱の際や着用姿勢を変える際は、低い姿勢で行うようにしましょう。
啓発資料
業界・事業者への要望
- 抱っこひもからの落下事故を未然に防止するため、抱っこひもを正しく装着して使用するよう消費者へ引き続き周知啓発するよう要望します。
行政への要望
- 抱っこひもからの落下事故を未然に防止するため、抱っこひもを正しく装着して使用する旨について消費者へ引き続き周知啓発するよう要望します。
要望先
- こども家庭庁(法人番号7000012010039)
- 一般財団法人製品安全協会(法人番号1010505002118)
- 抱っこひも安全協議会(法人番号なし)
情報提供先
- 消費者庁(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
- 文部科学省(法人番号7000012060001)
- 厚生労働省(法人番号6000012070001)
- 経済産業省(法人番号4000012090001)
- 公益社団法人日本小児科学会(法人番号5010005018346)
- 特定非営利活動法人Safe Kids Japan(法人番号5010905002878)
- オンラインマーケットプレイス協議会(法人番号なし)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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